藤井 輝明

ふじい てるあき
藤井 輝明

肩書き
医学博士
出身・ゆかりの地
東京都

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生まれつき顔に海綿状血管腫というハンディを負ったにもかかわらず、挫けることなく、患者の痛みの分かる医療人として看護の世界で新たな地平を切り拓いていった藤井輝明さん。講演では、顔に病気や障害をもつ人たちに対する差別・偏見をなくすため、子どもたちにあたたかいメッセージを伝えます。

プロフィール

2歳の頃、顔の右半分にふくらみ(難病の一種である血管奇形の海綿状血管腫)が現れ、そのため幼少の頃からいじめにあい、辛い少年時代を過ごした。

医学・看護学・社会福祉学を志し、大学、医療機関、小中高校、企業研修など幅広い領域で小児医療・保健、在宅・高齢者看護・介護、障害者福祉などの視点から専門講義・実習を担当・指導している。こうした活動の一部を記録した写真集(ロマンティック・リハビリテーション)(ランダムハウス講談社)と写真展が2009年3月、第18回林忠彦賞(写真界最高賞)を受賞した。

顔に病気や傷を抱える人の偏見・蔑視をなくすため、自身の体験を基にして全国各地で講演活動や著作活動を行っている。なお、2012年度中学道徳 3 年副読本「心つないで」(教育出版)P74~79 第14項「あなたは顔で差別をしますか」でも教材として取り上げられている。

行政書士としての経験・知識をいかして、市民のための幅広いカウンセリング・法務相談活動を実践している。

『てるちゃんのかお』(金の星社)を使用して幼児・児童達に「紙芝居」よみきかせ活動を全国的に実施している。昨年公開されたアニメ映画『おおかみこどもの雨と雪』のモデルにもなっている。舞台は国立の一橋大学、藤井が生活している街。作品では容貌に関する問題が取り上げられ、おおかみこどもの姉弟の姉・雪の優しいボーイフレンドが“藤井君”として登場している。

 略歴 
1957年   東京都国立市に生まれる
1982年   中央大学経済学部産業経済学科卒業
1989年   千葉県立衛生短期大学第一看護学科卒業
1991年   筑波大学大学院修士課程修了(健康教育学)
1996年   名古屋大学大学院医学研究科博士課程修了
飯田女子短期大学専任講師
岐阜医療技術短期大学助教授
熊本大学医学部保健学科看護学専攻教授
鳥取大学大学院医学系研究科教授
2009年   東京大学大学院客員研究員
2011年   中央大学保健体育体育研究所客員研究員

主な講演のテーマ

1. 障害は個性 このアザは、ぼくの大事な宝もの
障害のある友達が同じ教室に普通にいて、個性をお互いに認め合う環境であれば、子どもたちは必ず良い影響を受けます。これには実例があります。わたしの高校時代の同期卒業生は全部で400人ほどなのですが、驚いたことにそのうちの100人近くが医者になっているのです。いまでも同期会で会うと「おれたちはラッキーだ、藤井のおかげで海綿状血管腫という病気を子どものときから知ることができたんだから」と言います。わたしの存在が医学に興味を持つきっかけになった、というわけです。

あるいは、教師になった友人に尋ねてみると、小学校のころにクラスで担任の先生が言った「藤井くんのアザは素敵なアクセサリー。だから、いじめたりしないで仲良くしようね」という言葉を聞いて「こんなふうに、子どもたちを励ますことのできる学校の先生っていいな」と思ったそうです。

その他にも、わたしは海綿状血管腫のおかげでさまざまな出会いに恵まれました。何冊も著書を出し、新聞や雑誌にも掲載され、テレビに出演させていただくこともできました。今日こうしてお話しさせていただけるのも、この病気が機会を作ってくれたのです。できあがった出版物を見て関心を持ってくれる人がさらに増えれば、やがて個性を尊重する人権教育の波はうねりとなって広がるでしょう。そう考えると、このアザはいくらでも宝物が出てくる「打ち出の小槌(うちでのこづち)」のようなものでしょう(笑)

2. 個性を認め合える、心豊かな社会を目指して
「ふれあいタッチング交流」全国の小・中・高校へ講演に出かけて、顔に触れてもらっています。私を見るとみんな驚き、こわごわとした表情をしています。ホラー映画やテレビに出てくる怪獣など「醜いものは怖い悪者」だと、幼いころから刷り込まれているからでしょう。けれど、人権教育はマイナスの感情をとらえて、そこから話を発展させるものですから、否定的な反応を恐れる必要はありません。

講演を始めてから15分も経たないうちに、子どもたちはわたしとうちとけて、あっと言う間に仲良くなります。そして頃合いを見て、わたしの方から「このアザにさわってみたい人はいるかな?」と聞くのです。最初はおっかなびっくりで、ほとんどの子どもはさわった瞬間に「うわっ!」と驚きますが、わたしが「もうちょっとさわっていいよ」と言うと「やわらか〜い」「おまんじゅうみた〜い」という素直な反応が返ってきます。

子どもの感性は温かく、優しくて純粋です。「人権教育は小学校高学年から中学生以上にならないとわからない」という人もいますが、それは間違いです。むしろ幼いほど良い。保育園、幼稚園のころから「世の中にはいろんな人がいるんだ」ということを知るのは本当に良いことです。
海綿状血管腫は決して感染する病気ではありません。そのことをわかってもらうためには、実際にふれてもらって五感に訴えるほうが早い。ふれて、さわって、タッチング!私のやり方です。21世紀は、こうした「体感・体得の人権教育」こそが求められていると思います。

わたしの「ふれあいタッチング交流」に参加してくれた子どもたちは、すでに20万人を超えました。これまでの人権教育は「差別や偏見、蔑視の問題は、言葉で教えて理解をうながす」というやり方がほとんどでした。もうずいぶん長い間「いじめはよくない」「差別はやめよう」と言葉で教え続けてきたのに、いじめや差別がいまだになくならないのは、そのやり方に限界があるからです。

ある研究によると、感情にかかわる内容を言葉だけで伝えようとしても、相手には7%しか理解できないそうです。35%は表情や目線や声の調子であり、残りの58%は身振り手振りなどのボディランゲージです。人権教育も、人間の感情に訴えるためには、当事者自身が実際に足を運び、現場で交流するのが最も効果があります。そのことを、わたしは経験者として文字通り肌で感じています(笑)。

カテゴリー

官公庁向け
教育・学校・PTA
福祉・高齢・介護・医療

著作紹介

  • 『てるちゃんのかお』

    出版社: 金の星社
  • 『さわってごらん、ぼくの顔』

    出版社: 汐文社
  • 『この顔でよかった』

    出版社: ダイヤモンド社

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