
こばやし あつこ小林 敦子
- 肩書き
- ジェンダー・ハラスメント研究家・博士
- 出身・ゆかりの地
- 埼玉県
この講師のここがおすすめ
組織を健全に機能させるために、人の心や行動を変化させるにはどうしたらよいかについて、長年心理学の応用領域として研究・実践を重ねてきました。たとえば、研修の効果が本当にあったのかについて、研修受講前と受講後、一定期間経過後の研修参加者のデータの比較・分析によって研修効果を確認するなど、エビデンスに基づいた実践・研究活動を継続してきました。
受講者の満足度は大切ですが、それよりも、受講者の気づいていない潜在的部分にコミットし、自然に意識や行動を変えることを重視しています。組織変革やハラスメント防止を真剣にお考えの組織にはお勧めです。
プロフィール
誰もが生きやすい社会の実現のために、日本社会に根深く残る性別による役割の固定を「ジェンダー・ハラスメント」と定義し、それを防止するための実証的研究を積み上げている。2011年に博士号取得。ジェンダー・ハラスメントに関する実証研究では、国内で第一人者といわれている。
現在はジェンダーの枠を超え、あらゆる属性に対する偏見や差別の解消・ダイバーシティ推進に向けたトレーニング・プログラムを開発し、教育機関や自治体等での研修や講演活動を行なっている。
また、社会的な活動としては、国内で広まる「アンコンシャス・バイアスの誤用」問題に関し、発信を続けている。
主な講演のテーマ
- ジェンダー・ハラスメント防止研修
ジェンダー・ハラスメントは、相手の性別のみに基づいて特定の行為を期待したりしなかったりする行為です。日本の組織ではよくある行為ですが、個人の多様な在り方を阻害し、個人や組織の成長の機会を奪います。本講座では、なぜそれがいけないのか、どうやって防止していくかについて、実際の就業者の分析データといったエビデンスを示しながら解説します。 - 認知的複雑性研修(管理職や新任研修向け)
この講座では、物事をそのまま見る力を養うトレーニングを行います。そのまま見る力とは、物事を過度に単純化して歪めることなく複雑なものを複雑なまま、曖昧なものを曖昧なまま留め置く力であり、物事を多面的に見る力(認知的複雑性)です。それにより私たちが潜在的に持っている創造性を伸ばすとともに、人的管理能力を向上させ、差別的言動を未然に防止します。
なお、この研修は研修前後のデータの取得と分析によってハラスメント防止の研修効果が確認されており、この研修の開発過程や内容を掲載した著書は、2024年日本応用心理学会「齊藤勇記念出版賞」を受賞しています。 - アンコンシャス・バイアス研修(男女共同参画やダイバーシティ推進の担当者・上級者向け)
今、世界的に注目を集めるアンコンシャス・バイアス。国内では内閣府男女共同参画局が計画に取り入れたことを契機にこの用語の知名度は上がったが、現在、多くのメディアやコンサルによって誤った意味で用いられている。本講座では、この誤用が進んだ背景を解説するとともに、アンコンシャス・バイアスの意味は本来どういうもので、私たちにどのような影響があるのか、そしてこの問題にどう向き合えばよいかについてお話ししています。希望により実際にアンコンシャス・バイアス測定の体験も盛り込むことが可能です。