笑福亭鶴笑さん 講演会講師 レポート
京都府内の人権啓発事業にて、落語家 笑福亭鶴笑さんの講演会が開催されました。 テーマは「人を傷つけない本当の笑い」。
子どもに「笑いの教育」を
テレビで芸人さんたちが「いじり」や「つっこみ」で笑いを取る姿。
テレビを見て育つ子どもたちはそれを「笑い」と勘違いします。
講演では、芸人さんである笑福亭鶴笑さんが、「相手を傷つける笑い」について警鐘を鳴らしました。
「芸人たちは信頼関係があった上で、笑いをとりまんねんで。しかも、番組には台本もありますから、本人が事前にそれを読んで了承した上でその言葉を相手にぶつけまんねん。せやから子どもたちにも、そのことをきっちり教えていく『笑いの教育』が必要ですね。」
人を傷つけない日本の伝統芸
世界各地で落語講演を行う笑福亭鶴笑さん。
今でこそ世界中で爆笑をとれるようになったそうですが、その中では失敗もあったそう。
「アメリカで公演したとき、当時のクリントン大統領の不祥事をいじったんですわ。そしたら会場はブーイング、靴まで飛んできましてん。やっぱり人間、自分らのことをよその人に言われるのは腹たつんですわ。」
「でも日本の伝統芸は人を傷つけない笑いが多いですよ。例えば落語に、玉すだれ。あれは万国共通で笑いをとれます。橋とか東京タワーの技を、その国にある近いものを言うて作ってあげると、みんな笑顔になります。」
人を傷つけない笑いこそ、万国共通の笑いというメッセージを会場に伝えました。
国境なき芸能団の活動
笑福亭鶴笑さんは、カンボジア、イラク、アフガニスタンなど、世界各地の学校や病院で励ましの笑顔を届ける活動を行っておられます。講演の第2部では、国境なき芸能団のメンバーたちとのイラク訪問が映像で紹介されました。
映像が終わったあと、笑福亭鶴笑さんはテロリストが増えている現状についてお話されました。
「なんでテロリストが生まれるか、難民キャンプに行ってみて分かりました。難民の人たちは国からも地域からも誰からも守られてないし、保証もないんです。だから一生その状況から抜けだせへんのです。」
「そんな所にテロリスト達が『不公平な世の中を正そう!』って来るんですわ。しかも給料も食べ物も支給されますやろ?そしたら、若い人はついていってしまいますわね。」
講演の最後には、私たちが今できることについて、聴講者のみなさんへメッセージを投げかけられました。
「難民キャンプを去るとき、難民の人たちに『話を聞いてくれてありがとう。一緒に悩んで、悲しんでくれてありがとう。』って言葉をかけられました。みなさん、難民キャンプの人たちは、話を聞くだけでも心が救われるんです。小さいことから始めましょう。まずは地域から仲良く。それがどんどん大きくなっていくんですよ。みなさん、笑いを大切に!」
笑福亭鶴笑さんの講演は、平和、人権、学校公演などにおすすめです。ぜひ、一度プロフィールをご覧ください。
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