
こうの みちなり河野 道成
- 肩書き
- ネオマデザイン株式会社 代表取締役CEO
PlayStation4 次世代UI・UX開発プロジェクトリーダー
KMD(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)リサーチャー - 出身・ゆかりの地
- 神奈川県
プロフィール
1992年、横浜国立大学工学部を卒業後、ソニー株式会社に入社し、UI/UXデザインや次世代インタラクションの研究開発に従事。
2004年にはPS3やPSPのシステム開発をリードし、2008年に独自のアイキャッチ理論を使ったデジタルサイネージシステムMITENEを開発。
2010年にはPS4の音声UIや次世代家電のプロジェクトリーダーを務め、Sony R&D賞を受賞。
2014年にソニーを退職し、ネオマデザイン株式会社を設立。家電、車、自動車、ITなどの業界で新規事業開発や空間体験デザインに携わり、2015年から慶應義塾大学大学院のリサーチャーも務め、2018年には音声UIに関するビジネス書を発刊。
現在は人間中心の新しい体験創造に注力し、講演や研修も行っています。
講師よりメッセージ
近ごろ研究開発の分野においても「体験価値を生み出そう」と言われるようになりました。では、そもそも「体験価値」とは何でしょうか?私がこの問いに向き合ったのは、今から25年ほど前、ソニーで家電やPlayStation向けの開発をしていた時です。当時の私は、ソフトウェアエンジニアとして開発に没頭していましたが、「人は何に価値を感じ、どんな理由で喜び感動するのだろう?」と疑問を持ったことから、人そのものに興味を持つようになりました。人の価値や感情は非常に個人差があり数字にするのが難しく、慣れ親しんだデジタル・ITとは全く違う世界でした。PS4, TV, 次世代の自動車やアトラクションなどを手がけている中で気がついたのは、どんな業界であっても「人を理解すること」と「気づく力」が大切だということです。皆さんにもこの「人を知る」「体験価値」そして「気づく力」の大切さを感じていただき、共に新しい未来を創り上げていけたらと思っています。
受賞歴等
2014年5月 ソニー R&D Award 2013 優秀賞 “情報技術開発によるPS4ビジネス立ち上げ貢献”
2012年3月 ソニー R&D 所長賞 “AR技術開発及びビジネス応用検討”
2002年4月 ソニー BA研究所 ベストテクノクリエイト賞 “ネットワークQoS技術開発とビジネス貢献”
2001年12月 Sony Resarch Forum 技術賞 “ネットワークQoSにおいての成果と功績“ 他
講演実績
Spectrum Tokyo Festival 2024/NTTテクノクロス/KDDI総合研究所/京セラ フューチャーデザインラボ/DENSO ITラボラトリー/ソニー/Tech In Asia Tokyo 2016/デジタルサイネージジャパン2015, 2016/UX JAM/UX MILK/慶応義塾大学工学部 他
主な著書
『操作・検査のタッチレス化/非接触化のための設計ポイントと最新動向』(情報機構)
主な講演のテーマ
【全職位向け】
1. ソニーの開発現場で学んだイノベーションの源泉 ~気付く力と創造する力~
ソニーの開発現場で培った「気付く力」と「創造する力」は、革新を生む大きな原動力です。本講演では、実際の開発エピソードを通じて、イノベーションの裏側にある試行錯誤やチャレンジをお伝えします。成功だけでなく、失敗から得られた気付きや学びを共有し、エンジニアが新たな視点で問題に向き合うためのヒントを提供します。さらに、日々の業務で「気付く力」を育てる方法や、「創造する力」を伸ばすための具体的なアプローチをエピソードを交えながら、わかりやすく伝えます。
2. 気づく力で見つける次の一手 ~新規ビジネスとイノベーションの種を育てる方法~
シーズや技術はあるけれど、それを価値にできない、ニーズにできない。そんな課題をおもちの方は多いのではないでしょうか?新しいアイデアを生み出し、形にするためには、ちょっとした違和感や小さな気づきを見逃さないことが大切です。エンジニアや新規事業開発担当者の皆さんが、「気づく力」をどのように鍛え、活かしていけるのかを実体験を交えてお伝えします。日本人は問題を発見し、解決することが得意ですが、それだけでは未来を創ることはできません。イノベーションを実現するためには、目に見えないニーズや新しい価値の種に気づく力が求められます。講演では日々の業務で「気づく力」を高める具体的なアプローチや、アイデアを実現へと導く方法を伝えます。気づきをアイデアに変え、実現するための青写真を描けるようになるヒントを提供します。
3. ユーザー視点の落とし穴 ~エンジニア、マーケッター、デザイナーはどこを向いて開発すべきか~
ユーザー視点を重視した開発は、顧客体験の向上に欠かせない要素です。しかし、そのプロセスには多くの落とし穴が潜んでいます。エンジニア、マーケッター、デザイナーがユーザーの声を取り入れつつも、どのような判断基準を持ち、どの視点で開発を進めるべきか、これまでの経験をもとにお伝えします。例えば、ユーザーは自分が本当に何を求め、どんな課題を抱えているかを正確に理解していないことが多く、ユーザーの意見や要望に依存するだけではリスクがあります。さらに、人間の認知には多くのバイアスが影響を与え、文化や宗教的背景が絡むことで、グローバル市場における複雑さは一層増します。講演では、ユーザー調査やヒアリングの限界を理解し、バイアスの影響を乗り越えるための考え方や実践的な方法を伝えます。また、顧客の曖昧なニーズをどのように見抜き、それを製品やサービスに効果的に反映させるか、具体例を交えて解説し、開発に役立つ新しい視点を伝えます。
【リーダー・管理職・マネジメント層向け】
1. プレイステーション4開発プロジェクトから学ぶチームビルディングとリーダーシップ
2. エンジニア集団に求められるチームビルディングとリーダーシップ
プレイステーションの開発プロジェクトは技術の粋を集めた革新の場であり、多くのプロジェクトが同時並行で進んでおり、その成功には強力なリーダーシップと効果的なチームビルディングが不可欠でした。次世代UI・UX開発プロジェクトリーダーとしての経験をもとに、開発最前線のエンジニアや技術職のリーダーが直面する課題にどのように取り組み、チームを一つにまとめ上げたのかを学びます。チームビルディングから、リーダーとしての意思決定のポイント、メンバー同士の協力を引き出すためのコミュニケーションの工夫まで、実際の経験をもとに解説します。また、リーダーシップの持つべきビジョンや、困難な局面での対処法についても触れ、日々の業務で即実践できる知見をお伝えします。