前川裕美さん 講演会講師 レポート
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テーマ「夢見る力を信じて ~ともに生きる未来へ~」
大阪市内の社会福祉大会が第24回目をむかえ、講師として音楽家の前川裕美さんが招かれました。
前川裕美さんは冒頭で、ご自身の難病・網膜色素変性症についてお話しされました。網膜色素変性症は初期段階に暗いところで物が見えにくくなったり(夜盲)、視野が狭くなったりするような症状が起こり、病気の進行とともに視力が低下してきます。
辛い時期
前川さんは小学校5年生のときに進行性の難病・網膜色素変性症と診断され、今では視力を失っている状態です。小中学校の時には、見えたり見えなかったりすることで周囲の人から誤解をされ、いじめにあったり、それを家族に伝えても「周囲に合わせることも大切」「裕美さん自身も誤解されるような行動をしているのでは?」と、まったく自分を理解してくれなかったそうです。
何を言っても分かり合えず、その時が一番辛く苦しい時期だったと語られました。そして、辛い現実から逃避するかのようにアメリカに留学することを選択され、語学留学を経て音楽大学で学ばれました。何を言っても理解してくれない日本での辛い経験とは違い、アメリカ留学中は、周りの人が自分に積極的に話しかけてくれたので、ここでは自分を表現してもいいんだと思い、少しずつ自分の意見も言えるようになり、能力も十分に発揮できるようになれたようです。
そして、お母様にも積極的に自分の思いをFAXで伝えることになったそうです。このときの経験から、「言葉で想いを伝えることの大切さ」や「言葉の力」についても実感されました。
分かち合えた瞬間
その後、オランダで開催された、障がい者の大会に母親と一緒に参加された前川裕美さん。難病の親子の、共に生き、誰もが必要とされ、互いが励まし勇気づけあう体験発表を聴きました。お母様はこのお話は目からうろこで、これまで自分は正反対の子育てをしてきたことに気づかれたそうです。 娘さんと互いに勇気づけあうことができるようになった前川裕美さんのお母様は、今が一番幸せだといわれているようです。
当日の衣装について
前川裕美さんは、当日お召しになっていた衣装についてもお話されていました。
前川裕美さんの衣装は、カラフルなお花が散りばめられており、NHK主催のバリアフリー・ファッションショー~「バリコレ2016」にも出品されたそうです。このドレスの素晴らしさは見た目の鮮やかさだけでなく、「触って楽しめる」という点で、「赤花:ベロア」「黄花:メッシュ」「緑花:輪ゴムのドット」など、花の色ごとに異なる素材が使われている、バリアフリーな衣装です。
参加者の方々はこの衣装に興味深々で、講演終了後、前川裕美さんが参加者の方々をお見送りされた際には「触ってみてもいいですか?」と大人気でした。
弾き語り
前川さんは最後の選曲として、お母様が作詞され、裕美さんが作曲された「ねがい」を弾き語りされました。
♪♪♪ ねがい ♪♪♪
私の瞳に映る あなたの笑顔
あなたの瞳に映る 私の笑顔
お互いに見つめあうこと できないけれど
重ねあった手のぬくもりに
あなたの優しさ感じます
この優しさの輪 広げましょう
もう二度と 悲しみの涙は流したくないから
子どもの頃に摘んだ 黄色いたんぽぽ
子どもの頃遊んだ 町のたたずまい
お互いに記憶の中の 世界だけれど
重ねあった手で力強く
あなたと一緒に歌います
このねがいの輪 広げましょう
もう一度 星空の輝きをこの目で見たいから
このねがいの輪 広げましょう
これからの あなたと私たちの
未来を信じて
未来を信じて
♪♪♪♪♪♪
トークコンサートで歌われた曲
「あかあさん」、「BELIEVE」、「テネシーワルツ」、「ねがい」、アンコール曲「ふるさと」
講演終了後、募金箱(もうまく募金)の設置コーナーで、来場者の方に呼びかけとお見送りをしていただきました。
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前川裕美さんの講演(トークコンサート)は、
いのち・絆・家族 いじめ・自殺予防、障がい者の人権・夢・希望・チャレンジ・
虐待・青少年育成・子育て・芸術鑑賞・トーク&コンサートにおすすめです。
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