まつおか そのこ松岡 園子
- 肩書き
- 元ヤングケアラー
- 出身・ゆかりの地
- 兵庫県
この講師のここがおすすめ
10代(1990年代)から経験してきた統合失調症の母との暮らしを語る活動、執筆活動を行っています。ヤングケアラーの理解と支援策についての理解を深めるものとして講演では、ケアをしながらどのようなことに困っていたのか、またどのような周囲の助けや理解があり、助かったと感じているかなどを自分の経験をもとにお話します。
プロフィール
兵庫県出身。統合失調症を患う母と2人暮らしになった12歳から現在までです(これまで約30年間)。現在もケアは継続中です。
当時、苦痛に感じていたことは、12歳の時に母の様子がおかしいと思い始めた頃から、それを周囲の人に話しても、母の病気に関することを何も教えてもらえなかったことです。私は訳がわからないまま母と向き合うことになりました。母から病名を聞いたのは、19歳の時です。
また、母のことが心配で中学校の部活に所属できず、遅刻や欠席が多くなってしまい、修学旅行も行くことができませんでしたが、学校の先生からは、みんなと一緒の行動を求められることが、しんどいと感じていました。
母がずっと独り言を話し、家事も何もできなくなってしまったことに対して周囲の人が心配し、私と母を分離させるような措置がなされたこと(その後、関係者との話し合いの末、無理矢理母と一緒に暮らす道を選択しました)に対しても、きちんとした説明や私の意見を聞き入れてくれる場などがなく恐怖を感じました。
現在、10代(1990年代)から経験してきた統合失調症の母との暮らしを語る活動、執筆活動を行っている。講演活動では、ケアをしながらどのようなことに困っていたのか、またどのような周囲の助けや理解があり、助かったと感じているかなどを自分の経験をもとに語っている。
近年、ヤングケアラーに関する社会の関心が高まってきたことから、地域に住むヤングケアラーを支援するために、どのような支援が必要なのか、地域、学校、児童福祉の観点から自分の経験をもとに考察を重ねている。
キーワード:松岡園子
主な講演のテーマ
『ヤングケアラー~私の経験~』
『ヤングケアラーを体験して~周りの人と一緒に~』
『ヤングケアラーについて知ろう~SOSに気づくために~』
家族は大事。でもケアするあなた自身も大事にしてほしい。
ケアラーが前向きに自分の人生と向き合えるように…
家族の世話や介護をする「ヤングケアラー」について、元ヤングケアラーの体験談を聞いて理解を深め、一緒に考えてみませんか。
※ヤングケアラーとは、家族の看護・介護・幼いきょうだいの世話・家事全般など、大人が担うようなケアを大人の代わりに行う18歳未満の子どものことです。
聴講者の声
- 実体験をお話して下さったので、とても分かりやすく聞きやすかったです。「自分で得た知識は裏切らない」というところがすごく納得でした。ヤングケアラーについてもっと周りが理解を示して環境を整えていくだけでも当事者の方たちの安心に少しでも繋がっていくんじゃないかと思いました。事者の方のお話を聞ける機会は初めてで大変参考になりました。
- 「ケアすることを選んだ」という言葉を聞いて、中学1年生が選択するにはとても大変な選択だっただろうなと感じました。年齢が低くなればなるほど、行政が担うべき支援が多くなる様に思ってきましたが先生の話の中では本当に信頼できる人にしか話せない(自分の身の置き場に不安を感じて)という現実を聞くと行政の支援はどうあるべきなのかなと、しっかり考えないといけないと思いました。
- 苦しい状況の中でも、周りの人の助けで生き抜いてこられたこと具体的な実体験話が聞けてとても勉強になりました。誰かがサポートしてくれることの大切さと小さな支援であっても、人の心に残る支えになるという事を改めて気づかされる講演でした。困った時に「この人」に相談しようと思える「助けて」とSOSを出せる世の中であってほしいですし、支援に携わる人間としてその輪が広がるよう努力していきたいと思いました。
- ヤングケアラーという言葉は認知されるようになってきましたが、そのケア、支援はまだ足りていないと思います。自分でできることは何か、改めて考える時間となりました。
- ヤングケアラーについて学ぶ機会がこれまでほとんどなかったので、講師の先生の体験談から具体的に知ることができました。一方的に解決策を探るのではなく、それぞれの機関が連携をとってチームで取り組んでいくことが大切だと感じました。
- 大人からの何気ない言葉(あいさつ、どう?)で何かあった時に相談をしようと思ってもらえるということで、大人が「気にかける」「見守る」そういう事がとても大切だなと感じました。また、自分のことを大切にしてもらえるような声かけができたらと思いました。
- 困りごとを解決するという姿勢ではなく、一緒に考える、一緒に頑張ろうという姿勢が支援者として大切であることを学びました。
- ヤングケアラーについて学ぶ機会がこれまでほとんどなかったので、講師の先生の体験談から具体的に知ることができました。一方的に解決策を探るのではなく、それぞれの機関が連携をとってチームで取り組んでいくことが大切だと感じました。
- 講話をうかがい、たくさんの学びがありました。困っているこどもたちが相談できる期間がどのようなものがあるのか、自分も情報を持っておくことが大切だと感じました。こちらの考えだけで、一方的に親と子を離すのではなく、しっかりと話を聴いたうえで判断していくことが大切だと感じました。
- ヤングケアラーという言葉は認知されるようになってきましたが、そのケア、支援はまだ足りていないと思います。自分でできることは何か、改めて考える時間となりました。