さくら ともみ佐倉 智美
- 肩書き
- ジェンダー&セクシュアリティ ライター
- 出身・ゆかりの地
- 大阪府
この講師のここがおすすめ
誰もが安心して幸せに暮らしやすい街づくりを目指す中で、LGBTsの基本的な理解を深めながら学校や家庭、行政、地域社会において性の多様性にどう向き合ってどう対応し施策等に生かすべなのか、人権尊重の視点でお話します。
プロフィール
1964年、関西に生まれる。幼いころより自分の「男」という性別に違和感を覚える。大阪府立の高校をへて、関西の私立大学・文学部社会学科を卒業。その後、高校の社会科講師、塾講師などを務めつつ、社会における性別役割分業・性差別、そして性別そのものへの疑問をつのらせる。
1997年、その前年に頂点に達した性別違和の自覚をふまえ、自分らしく生きられることを求めて、社会的・文化的性別を「女」へと転換。インターネット上にwebサイトを開設し、また執筆・講演活動などを通じて、積極的に情報発信中。
講演・講義は、三重大学「性の多様性概論」(平成14年度)をはじめ、各種市民セミナー、学校教職員・自治体職員の研修など多数。性的少数者にかかわるテーマを男女共同参画や人権の視点から体験を交えて語る口調がユーモアとウィットに富むことでは定評がある。日本女性会議2003大津での分科会、日本教育社会学会第62回大会(2010年)や第59回日本小児保健協会学術集会(2012年)の公開シンポジウム等々で、パネリストとしての登壇・報告も。
一方でアニメなどのポピュラーカルチャーにも造詣が深く、最新のアニメや特撮作品についてのジェンダーやセクシュアリティの観点を切り口とした感想・論評にも、近年は力を入れている。
2005年3月、大阪大学大学院人間科学研究科・博士前期課程修了(修士号取得)。その後、研究室付事務補佐も務めた。
2004年よりNPO法人「SEAN」(シーン)理事。
2013年度より甲南大学非常勤講師。所属学会は関西社会学会、およびGID学会。
主な著書
『性別解体新書』(現代書館 2021)、『性同一性障害の社会学』(現代書館 2006)、『明るいトランスジェンダー生活』(トランスビュー 2004)、『女子高生になれなかった少年』(青弓社 2003)、『女が少年だったころ』(作品社 2002)、『性同一性障害はオモシロイ』(現代書館1999)。
共著では『ジェンダー・スタディーズ』(大阪大学出版会 2015)にて第7章「『性別』は『女と男』ではない」など。
また青土社「ユリイカ」2016年9月臨時増刊号【総特集=アイドルアニメ】所収「『マクロスΔ』の三位一体とケアの倫理の可能性」などの寄稿も。
主な講演のテーマ
1. すでにそこにいる隣人としてのLGBTs~多様性を想定した地域社会のために~
2. その困りごと、「LGBT」を前提に入れて回避する~性の多様性がもうあたりまえの時代
3. 「LGBT」がもうあたりまえの時代の学校づくり~どの子のありのままも否定しないために
4. ジェンダー視点で読み解く日本のポップカルチャー論~注目の5つのポイントとは
聴講者の声
- 一人ひとりが違うという多様性が前提とされる社会が当たり前になることは、いろんな人、全ての人が幸せになる社会になると思う。そして、お互いが幸せになるためには、話し合い認め合えることが大切。貴重なお話、ありがとうございました。
- 普段何気なく見過ごしている情報の中に、様々な性別に関する区別があることを知りました。誰もが生きやすい世の中、過ごしやすい世の中を作っていくことは、とても大切だと感じる一方で、とても大変なことだとも感じます。まずは、一人ひとりが、多様性について知ることを始めることで、啓発になり、それが理解へとつながればよいと感じました。
- 女、男、女らしさ、男らしさにとらわれて苦しく生きている人はマイノリティの人だけでなく、いわゆるマジョリティの人の中にもあると思います。一人ひとりがジェンダーに対する意識をもって「これって必要な区別?」と立ち止まることを自分も大切にしていきたいです。誰もの選択肢が増え、心地よく生きられるよう相談しながらすすめていきたいです。
- 性の多様性について考えることは今までにもありましたが、性別の判断は文化的な背景から行っていることを分かりやすく教えていただきました。社会で多様性が言われている中、社会的なシステムや意識は追いついていない部分があり、知ることから始めていかなければならないと感じました。多様性とは受容の幅を広くしていくことだと思います。どんな人でも一人の個として受け入れられる人と社会が成熟していくようになってほしいと考えました。
- 性の多様性、少し知識はあったのですが、固定的な見方がまだ自分にはあることに気付かされた深い話でした。その人らしさやありのままの姿を認め合える社会になることを目指し、学びを深めながらできることをしていきたい。
- 学校教育関係者です。私の学校に、もし、LGBTsに関する配慮が必要な児童が転入、入学した時に、どのようなことができるかを考えながら講演を聴いていました。本人の望みを叶えることができる環境を整えることが大切ということを学びましたので、これから整えていけることを考えていきたいと思いました。