池谷 幸雄

いけたに ゆきお
池谷 幸雄

肩書き
池谷幸雄体操倶楽部(株)代表取締役
NPO法人IGC理事長
(社)全日本ジュニア体操クラブ連盟理事
出身・ゆかりの地
北海道

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ソウル、バルセロナ五輪において、2大会連続でメダルを獲得するという輝かしい戦績を残した池谷幸雄さんは、2001年、自ら「池谷幸雄体操倶楽部」を設立し「スポーツを通しての体づくりと人間形成」に取り組まれ、子どもの頃から体を動かすことの大切さを伝えます。

プロフィール

昭和45年、東京都出身、日本体育大学体育学部体育学科卒業
4歳のころから体操を始め、小学校1年生の時、大阪に転居。
その後、清風中学校・高校で才能が開花し、1988年・ソウル五輪、1992年・バルセロナ五輪において、2大会連続でメダルを獲得するという、輝かしい戦績を残した。
2度のオリンピック出場でファンを魅了し続けてきたが、怪我との戦いが元で、その華々しい体操人生に終止符を打った。1992年秋、タレント・池谷幸雄として第2の人生を歩み始め、CM、バラエティ、キャスター、俳優など、さまざまなジャンルに挑戦。
2001年には「池谷幸雄体操倶楽部」を設立し、現在は1000人の子ども達に指導をおこなう傍ら、選手の育成もおこない、2010年に初開催されたユースオリンピックにおいては、体操ジュニア男子の日本代表選手を輩出、また個人総合で金メダルを獲得することとなった。
現在は、引き続き芸能活動を再開するとともに、スポーツ振興や子どもの教育問題に取り組み、「子ども達の未来のために」をキャッチフレーズに社会活動を行っている。

<主な実績・受賞歴>
○昭和63年ソウルオリンピック大会出場
・団体総合3位・種目別ゆか3位
・個人総合8位・種目別跳馬7位
○平成4年バルセロナオリンピック大会出場
・団体総合3位・種目別ゆか2位
・種目別つり輪7位
○昭和63年文部科学省スポーツ功労賞受賞
○平成4年文部科学省スポーツ功労賞受賞

主な講演のテーマ

『子どもの体と心 ~ スポーツを通しての体づくりと人間形成 ~』
< 体を動かすきっかけ作りを >
あまり知られていないことですが、大体10歳くらいまでに人間の体のつくりが決まってしまいます。つまり、10歳までに何をしてきたかということで、大人になった時の、筋肉や神経、骨や脳の発達というのが決まってしまうのです。
ですから、早くから体を動かすことをやっておいた方がいい訳です。昔の子どもたちは、山や空き地で駆け回ったり川や海で泳いだりと、外で遊ぶことで体を十分動かすことは自然にできていたことですが、今の環境では自然に体を動かすということが、非常にできにくい状態になっています。最近は公園にしても、衛生面で環境が悪かったり、都会では車が多くて、自転車も安心して乗れなかったりします。また、誘拐や殺人といった犯罪被害に逢うことが多くなり、治安の点で外に一人で遊びに行くなんていうのは、怖くてできない状況です。
一方、家の中では、じっとしたままでも楽しめるゲームやDVD、パソコンや携帯電話などの機械が発達していますが、それは果たして子どもの成長にとって良いのかどうかと言うと、疑問です。親としては、アニメのビデオを見せておけば、子どもはじっとしていますから楽なのですが、でもそればかりではダメ。
そういう環境を、大人が作ってしまった訳ですから、親たちは、子どもたちが自分で体を動かすきっかけ、チャンスを作り出すしかないのです。
公園に連れて行くとか、野外のイベントに連れて行くとか、体操教室に連れて行くとかして、体を動かせる環境を作ってあげないといけないということです。
子どもたちが、自然に自由に遊べない、そういう時代になってきているのだと思うのです。

<「体操」とは体を動かすこと >
体操教室を作ろうと思ったのが、今から13年前、27歳の時です。当時、凶悪な少年犯罪が話題になって、日本の子どもがおかしくなっていました。僕自身は、子どもが好きなので、なぜ子どもがそうなってしまっているのか調べてみたら、小さいころに体を動かしていないことがストレスになっていたり、人とのコミュニケーションが取れていなかったりすることなどが、全部つながっていると解りました。
今現在でも、更に輪をかけて青少年犯罪の多発、親や教師の児童虐待などのニュースが非常に多くなっています。これらの加害者は、子どもの頃にしっかり体を動かしていなかったことに、少なからずとも原因があるように思います。実は、子どもは体を動かすことで、精神的なストレスを自然に発散するようになっています。そして、同時に体づくりを自然におこなっています。
また、スポーツを通して経験できる人間形成の道を辿ってきていないことも大きな要因の一つでもあると考えます。スポーツを通して厳しい練習の中で養う「我慢」と、決まったこと以外は罰せられるという「ルール」を守るという経験・・・これらを子供のうちに経験しておくことが、大人になってからの非常に大きな要素となります。この我慢の経験がない子どもが大人になって社会に出ることで、仕事でミスをして上司から怒られたりするだけで会社を辞めてしまう、また、子どもを根気強く育てることができずに育児を放棄したり虐待をするといった方向に走ります。このような状況は、「我慢」ができない、「ルール」が守れないことで物事が解決できない精神状態に陥り、自分の我儘を押し通すことで起こりうる大きな問題だと考えています。
前述に戻りますが、現役引退後、私が27歳の時に、芸能界の仕事をいろいろやって、もう一度体操を考えた時に、子どもたちの環境のことも考えて、体操教室を作ろうと思いました。
主催している「池谷幸雄体操倶楽部」には、お父さんお母さんと一緒に始めるベビークラスから、本格的に体操選手を育成するジムナストクラスまで、さまざまなクラスがあります。「体操」と言うと、つり輪や平行棒といった「体操競技」をイメージする人が多いと思いますが、実は体を動かすことは全部体操なのです。柔軟体操もラジオ体操も、ストレッチも全部体操。体を動かすことが体操なので、遊びの延長が体操と言う訳です。
体を動かして遊んでいることで、すでに体操の要素が入っている。かけっこや鬼ごっこをしたり、ジャンプしたり、ごろごろ転げ回ったり・・・。そういった、「体を動かすこと=体操」という認識は、日本人はとても希薄です。日本はオリンピックで体操競技が強かったので、それが逆効果になっているのかもしれません。体を動かして健康な体を作る場所が体操教室であって、体操競技をやる部分はまた別です。その辺りの違いを分かってもらった上で、体操教室を見て欲しいと思います。
例えば、跳び箱をするとは、跳び箱に手を出して着くという動作。これは、倒れた時に手を着く動作と同じです。だから、そういう訓練になっている。つまり、体操は「生活の中の動きの練習」をしているのです。だから、体操をやっている子は怪我をしにくく、自然と運動機能が身についています。
アメリカには、こういった体操の施設がたくさんあります。まず体操をやって体の基礎を作り、それから他のスポーツを始める人が多いのです。ゴルフのタイガー・ウッズも体操をしていましたし、野球のメジャーリーグで活躍している選手にも体操経験者が多いのです。
体操は全身運動ですから、体のバランスが良くなります。全身を使うと言うことは、どんなスポーツにも応用が利くということ。それだけ体操は、一番初めにやるスポーツとしてベストなものなのです。

< スポーツを通しての人間形成 >
私の教室のコンセプトは、人間の基本を学んでもらうこと、体を動かして健康な体を作ってもらうことです。人間の基本は何かと言うと、やはり挨拶と返事。挨拶・返事ができなければ、社会に対応できません。さらに、人の話が聞けない人はダメです。それと、「気をつけ」ができなくてはならない。体を動かす前に「気をつけ」の形ができないと、体を動かせないのです。まず僕らはそう言う事を教えてから、体を動かすことを教えます。 だから、ちゃんと話が聞けないとか、「気をつけ」ができない子には、練習はさせません。
ちゃんと聞いて、正しくやれば安全ですが、話を聞かずに変なことをしたら、怪我をする可能性があるからです。僕らも子どもたちに怪我をさせたくないので、話を聞かない子は練習させないと言うことを子どもたちにきちんと説明します。どうしてコーチの話を聞かなくてはならないのかと言うのは、怪我をするからであり、上手くならないからなんだと話をするのです。きちんと話を聞いたら上手になれるのだと分かれば、子どもたちはちゃんと聞くものです。
大人なら、1を言えば10を考えられますが、子どもは、10言っても1しか聞いていない。10言って1しか聞いていないのならば、何回も言わなくてはならないのが当たり前です。教え方も、その1の部分を細かく分解して、1つずつ丁寧に言ってあげるようにします。
見本を見せて教えたら、必ず子どもたちに質問をします。頭で解ってないことは、体もできません。脳が体に指令を出して、筋肉を動かしている訳ですから。頭で解っているかどうか、ちゃんと確認してあげる必要があるし、頭の中で解るような説明をしてあげなくてはなりません。それが子どもたちに対する指導です。これは、他のところでも応用はできると思います。
甘やかすことと大事にすることはまったく違うので、大事だからこそ怒らなきゃならないことがある訳です。大事だから子どもたちに怪我をしてもらいたくないし、上手くなって欲しいから、僕は教室ではとても怖いのです。僕は常に怒る存在。そして、周りのコーチがフォローする。そういう連携になるようにしています。
体育館の中では、コーチが指導者であり、親でもあると言う立場で、保護者は関係ないのです。自分たちが預かっている責任があるので、泣いて体育館に入れないような子がいても、お母さんは遠くから見ていて下さいと言っています。その子が、お母さんがいなくても大丈夫なように、こちらの方で指導していきます。でも、一歩体育館を出たら、僕らはノータッチ。そこのけじめも、ちゃんとつけなければならないのです。

< 最後に >
子供のうちにスポーツを通じて団体生活を行うことで、先生や師を敬う心、先輩や後輩との上下関係や信頼関係、勝負で味わう喜怒哀楽など、社会に出てから人として一生必要とする環境が経験できます。スポーツを通じて、人とのコミュニケーションをとるということが、非常に大事だと考えています。
そして、やはり人間は健康でなくては何もできません。いくら経済的に余裕があっても、素晴らしい能力や才能があっても、健康でなくては何の意味も持ちません。だから、大人になってからの健康を保つためには、子供のうちにしっかりと体を動かしていなければいけないということを、もっともっと、全国の子どもを持つ親たちに伝えていきたいと考えています。
私はこう言ったことが、これからの日本の未来を担い、そして日本を支えていく子ども達にとって、一生の財産になると思っていますし、絶対に必要だと考えています。
以上から、今後も引き続き、私、池谷幸雄は「子ども達の未来の為に」をキャッチフレーズに、子どもの心とからだの教育環境整備の一端を担っていければと考えております。

カテゴリー

教育・学校・PTA
健康・食育・美容・メンタル
スポーツ

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