
かねこ わかこ
金子 稚子
- 肩書き
- ライフ・ターミナル・ネットワーク代表
終活ジャーナリスト
一般社団法人日本医療コーディネーター協会顧問
医療法人社団ユメイン野崎クリニック顧問 - 出身・ゆかりの地
- 静岡県
この講師のここがおすすめ
41才という若さで他界した、流通ジャーナリスト・金子哲雄氏の妻、金子稚子さん。その経験から、人々の『死』の捉え直しに力を入れ、真の “終活” を提唱しています。
講演では、『死』について、多岐に渡る情報提供とともに、自分で『いきかた(生き方・逝き方)』を決める必要性をお話します。金子さんのお話は、当事者の話でありながら、単なる体験談にとどまりません。『終末期から臨終』さらに『死後』のことまでをも分析的に捉えた語り口で、各分野の専門家からも高い評価を得ています!
プロフィール
夫である流通ジャーナリストの金子哲雄の死後、葬儀はもちろん、『僕の死に方 エンディングダイアリー500日』(金子哲雄著、小学館)の発行まで、死期を悟った夫が考え、準備していたことを実行に移す日々を送る。そのおかげで、葬儀が終わった後も悲しみに暮れているだけの時間が少なくて済んだという経験をし、亡くなった者からの引継ぎの、強烈で濃密な癒しのプロセスの力を実感する。この体験から、亡くなった者からの引き継ぎは遺された者の悲しみを軽減し心の支えになると気づき、雑誌・書籍の編集者、広告ディレクターとしての経験を活かして、誰もが必ずいつかは迎える「その時」のために、情報提供と心のサポートを行っている。
さらに、生命保険等の金融関係、葬儀関係、医療・福祉関係、医薬品などの各種団体・企業に対してや、行政、一般向けにも研修や講演活動を行う。
主な講演のテーマ
1.死ぬことと、生きることは同じ
夫の闘病とその死に寄り添った経験、加えて多くの死別経験者への取材から見えてきたことをお話します。誰もが「死」は怖いと感じます。それはなぜなのでしょうか。それは「死」がわからないからです。正解も、答えすらありません。しかしながら、一人の人間の死に、家族として深く関わったことから見えてきたことはあります。死にゆく人がどのように変わっていったのか、周囲はどのように支えていたのか。多くの人が亡くなっていく多死社会を前に、「死ぬこと」について、正面から考えます。
2.家で死ぬ、ということ ~家での看取りは怖くない~
今、国は在宅医療、すなわち病院ではなく、家で最期まで過ごす方針を推進しています。しかし、多くの日本人にとって「死」はとても遠いものになってしまいました。病人が家にいて、何かあったらどうしようという不安ももっともです。でも大丈夫です。死についての少しの学びと、専門家との信頼関係をしっかり結ぶことで、死が貴重な機会であることに気づくことができるでしょう。大切な人との死別は、悲しみだけではない、その後の自分の人生において、非常に大切な何かを得られる可能性を秘めています。在宅医療を受けながら、自宅で死ぬ心得と準備について、家族を看取る心得と準備について、経験を交えてお話しします。
3.アクティブ・エンディング ~大人の『終活』新作法~
「『い(生・逝)きかた』は、自分で決める」。終活とは、死ぬための準備ではありません。それは、人生の幕引きに向けた「生き方」を自分で決めることです。ではどうしたらいいのか、その具体的な内容についてお伝えします。また、終活とは、自分ひとりで行うものでもありません。自分の「いきかた」で、残される人を力強く支えることもできるでしょう。家族で考える「終活」を提案します。
4.40代から始めるアクティブ・エンディング ~40代からの実践的『終活』とは~
経済が不安定で、収入も上がらない。両親の介護を担うことを前提にすると、自分の老後なんてとても考えられない……。そんな不安を抱える人も多いことでしょう。でも、40代だからこそできる実践的な『終活』があるはずです。今、40代の人たちには、現在の高齢者とはまた違う未来の環境があります。ワーキングプアだったら、おひとりさまだったら、どうしたらいいのか。今から始められる「老後の準備」、「終活」をお伝えします。
5.死って、悲しいだけなの? ~悲しみを力に変える~
死には種類があることを知っていますか? 1つは「一人称の死」、自分の死のこと。1つは「三人称の死」、家族や友人知人ではない人=誰かの死のこと。そして最後の1つは「二人称の死」、大切な人の死のことです。大切な人の死に際した時、私たちは想像を絶する悲しみに苛まれます。心身の不調を訴える人もいるでしょう。しかし死は、悲しみ“だけ”をもたらすものではないことが、自分自身の経験や多くの死別経験者との対話からわかってきました。死別経験の、プラスの側面について取り上げ、自分の死ではなく「大切な人の死」について考えることで、死の別の面に触れてみます。
6.人は死別がつらいだけではありません。 ~死に関わる専門家に伝えたいこと~
死の前後にはさまざまな専門家が関わりますが、大きく分けると、医療・福祉関係者と葬儀・供養関係者といえるでしょう。それぞれが非常に高い意識を持って、目の前の人に関わっていますが、逆にその専門性の高さが要因となって、私たち当事者からすると、死に際して味わう必要がないだろう苦しさを感じることがあります。そこで、医療サービス、福祉サービス、あるいは葬儀・供養のサービスを受ける私たち当事者から見た現実を伝えるとともに、私たち自身は何をすべきなのかもお話しします。地域包括ケアシステムは、死から立脚して考える方向性もあるのではないかと考えます。