おかもと こうすけ岡本 工介
- 肩書き
- 社会福祉士
大阪大学大学院 修士(人間科学)修了 - 出身・ゆかりの地
- 大阪府
この講師のここがおすすめ
岡本工介さんは、被差別部落出身というルーツを持ち、10数年にわたる旅の中でネイティブアメリカンとの生活や黒人解放運動の地への旅などを経験。
講演では、アメリカ・インディアン、黒人、アイヌ、在日コリアン、障がいのある人たちなど、自らの様々な出会いの旅の中で感じた、「様々な違いを持つ『ひと』が微笑みながら手をつなぐ」=「虹」 という熱い想いを伝えていただきます。
プロフィール
大阪府高槻市に生まれる。
2002年以来、毎年渡米し、約20年にわたってネイティブ・アメリカン居留区でラコタ族の人々と出会い、ともに生活する中で彼らの伝統的儀式や生き方、自然観に深くふれる。また、アメリカ南部を旅し、黒人公民権運動の指導者であるキング牧師のルーツを訪れる。
旅の中で“ルーツを大切に生きる生き方”と“Community Of Trees”(様々な木々が育つ森を地域に創る)というヴィジョン(夢)をもちかえる。
現在は、高槻市富田地域に基盤をおき、社会的包摂のまちづくりに携わる一方で、大学の非常勤講師等や個人事務所Community Of Treesを主宰している。
NHKバリバラほかメディア出演多数。
経歴
龍谷大学卒業後、環境教育プランナーとして、公立の小学校・中学校・高等学校、行政機関、企業、環境教育施設などで子どもから大人までを対象に人間関係トレーニング、ワークショップ、教職員研修、企業研修、講演、キャンプなどの企画・運営に携わる。
2008年より一般社団法人高槻市人権まちづくり協会の職員(事務局次長)として高槻市及び高槻市教育委員会からの受託業務として同市の人権啓発業務(講座、研修会等)の企画運営や総合相談業務、法人運営、施設管理業務に携わる。
2016年4月に独立、一般社団法人タウンスペースWAKWAKへ入職。
本平安女学院大学キャンパスソーシャルワーカー・非常勤講師
元大阪人間科学大学非常勤講師
元常盤会短期大学非常勤講師
現在に至る。
受賞歴
大阪大学国際共創大学院「独創的教育研究活動賞2020および2021」「多セクターとの共創による新たな多文化コミュニティづくりによる共創知の生成-大阪府高槻市富田地区を対象とした実績と研究の往還による試み-」ほか
部落解放・人権研究奨励賞 受賞(一般社団法人部落解放・人権研究所設立50周年記念事業)「コミュニティオーガナイジングによる社会改革の共創-高槻富田地区子どもの居場所づくりの取り組み-」
主なメディア出演等
- 事務局長として企画・運営に携わった「ただいま~といわれる子どもの居場所づくり事業」がNHK全国放送「課題解決ドキュメントグングン!高槻富田地区」として2017年2018年と2度放送される。
- 事務局長として携わった大阪北部地震時の災害支援の取り組みがNHK全国放送「クローズアップ現代+ 都市直下地震 露わになったリスク~大阪震度6弱で何が~」で放映される。
- 事務局長として携わった子どもの居場所づくりの取り組みが政府広報(内閣府特番)「子どもたちの未来のために~地域に根差す支援の現場~」で放映される。
- NHKバリバラ「水平社宣言100年(人の世に熱あれ 人間に光あれ),2022年」に出演
- 事務局長として携わった高槻市子どもみまもり・つながり訪問事業による官(高槻市)と民(NPO)の連携による支援の様子がNHKかんさい熱視線「検証・神戸6歳男児遺棄事件 なぜ命を救えなかったのか」において、放映される。
主な講演のテーマ
人権・包摂型のまちづくりの実践
1. 子どもからお年寄りまでを支える地域のセーフティネットづくり
~差別の解消をふくめた地域共生社会の実現に向けて~
高槻富田における子どもからお年寄りまでを対象とする包摂型のまちづくりの実践のご紹介
・SOSを出せない人を見捨てない 社会的企業としての挑戦
・「ひとりぼっちのいないまち-子どもからお年寄りまでを対象とした包摂型のまちづくり」
・「わがごと」「丸ごと」子ども・障がい・高齢 分野を超えて中学校区にセーフティネットをつくる
・SDGs 多様なセクターと協働しながら社会課題を解決する
子どもの貧困・居場所づくり
2. ただいま~と言える子どもたちの居場所づくり
~高槻富田における学習支援・子ども食堂・夕刻を支える場の実践から~
高槻富田における子ども食堂や夕刻を支える場、学習支援事業の実践など、子どもの貧困の課題を超えていくための居場所づくりの実践談
・「ひとりぼっちのいないまち」
・子ども食堂 共生食堂とケア付き食堂 様々な層の子どもたちの地域での居場所
・地域に根づいた拡大家族
・地域・家庭・学校・行政・大学・企業と連携しながら創るただいま~と言える子どもの居場所
地域のネットワークづくり
3. 居場所の包括連携による全国のモデルづくり
~地域・家庭・学校・行政・大学・企業等と協働して社会課題を解決する
新型コロナ禍、高槻市域における分野を超えたネットワークづくりの実践談
・部落問題を出発点に様々な社会課題の解決をめざす
・地域、家庭、学校、行政、大学、企業と連携し支援のネットワークをつくる
・新型コロナ禍、社会的不利を抱える子どもたちの支援を広げる
・民と民の連携、官と民の連携で人がとりこぼれにくい地域を生み出す
人権・同和教育
4. 誰も取りこぼさない学校~インクル~シブなクラスづくり
これまでの同和教育で培ってきたノウハウを社会的包摂(インクルージョン)をキーワードに様々な課題を持つ子どもたちを支える教育という考えへの転換
・様々なスタートラインを持つ子どもたち
・社会的包摂と学校現場で悪意なく起こる社会的排除
・行動の背景にあるものに寄り添う
SDGs 多セクターのパートナーシップ
5. 高槻富田地区 ひとりぼっちのいない町づくり
~地域・家庭・学校・行政・大学・企業と協働して社会課題を解決する~
高槻富田における地域・家庭・学校・行政・大学・企業など多セクターと協働した子どもの居場所づくりの実践談
・子どもの貧困という今の社会課題
・地域・家庭・学校・行政・大学・企業と連携しながらつくる子どもたちの居場所
・コレクティブ・インパクト
・SDGs パートナーシップで社会課題を解決する
エンパワメント
6. エンパワメント~心の源の力の支援~
様々な課題を持つ子どもや人たちと関わる際の「行動の背景にあるものに寄り添う」という考え方や、その具体的なアプロ―チとしてのエンパワメントについての理解と自尊感情を高める関わり方について学ぶ
・「専門職としての私」と「ありのままの私」
・エンパワメントとは?
・人の成長過程(基本的信頼感・自尊感情・レスポンス・愛着関係・安心)
・課題を持つ子に起こっていること(育ちの基盤・自己否定感・存在否定)
・対人援助をする人の在り様・見方・聴き方(傾聴)・伝え方、メタスキル、スキルと自己覚知
社会的養護のもとで暮らす子どもの理解
7. 子どもたちの行動の背景にあるものに寄り添うために
~社会的養護の子どもたちのエンパワメント事業の実践から~
約10年に及ぶ社会的養護の子どもたちのエンパワメント事業(児童養護施設の子どもたちに対する自然体験活動や同プログラムを行う大学生など若年層のボランティアスタッフ研修の実践談から社会的養護に対する理解を深める。
・社会的養護とは? 子どもたちが置かれている状況
・社会的養護の子どもたちのエンパワメント事業
・行動の背景にあるものに寄り添うために
生き方・生涯学習
8. 生き方の中心軸~人として豊かに生きること~
ライフストーリー(生い立ち)の中でもアメリカ先住民との生活から教わった人としての生き方(人として何を大切にどう生きるのか?)にフォーカスした体験談
・放浪の旅…人として豊かに生きるということ
・ラコタ族の光(伝統的な文化)・影(差別の状況)の物語
・Today Is A Good Day To Die.(今日は死ぬのにもってこいの日)
・豊かな社会、人として豊かに生きることとは?
幅広く世界の様々な人権問題
9. “差別をなくす”から“手をつなぐ”へ~グロ~カルに生きる~
ライフストーリー(生い立ち)の中でもアメリカ先住民や黒人解放運動の地、さまざまなマイノリティとの出会いの体験談から幅広く世界的な人権問題について理解を深めていただく。
・様々な課題はマイノリティにいち早く、集中して・継続的に起こる
・差別がもたらすもの(内的抑圧と外的抑圧・怒りの仮面)
・I Have A Dream.(私には夢がある)、そして時代は変わる
同和問題
10. “差別をなくす”から“手をつなぐ”へ~ル~ツを大切に自分らしく生きる~
主にライフストーリー(生い立ち)の中でも同和問題にフォーカスした体験談
・地域に育てられて&祖父の死・・・差別という影の裏にある光の物語
・放浪の旅・・・ルーツを大切に生きる・Community Of Trees(雑木林の育つ森をつくる)
・見えない心の壁の先に・・・人と人との豊かな関係を創ることで差別を超えていく
※体験談についてはプライベードに踏み込んだ話を含むため打合せの上、必要だと判断した場合にのみお受けします。
参加型・ワークショップ
コミュニケーション
1. つながる言葉、つながる気持ち~1人1人を大切にするコミュニケーション~
コミュニケーションについてのワークショップを通じて、お互いに関わりあいながら良好な関係性を築かれていくきっかけとコミュニケーションについての基礎を学ぶ。
・コミュニケーションで伝わるもの
・カウンセリングマインドを持ったコミュニケーション実習
・ジョハリの心の4つの窓 人が成長をすること
エンパワメント
2. エンパワメント~心の源の力の支援~
様々な課題を持つ子どもや人たちと関わる際の「行動の背景にあるものに寄り添う」という考え方や、その具体的なアプロ―チとしてのエンパワメントについての理解と自尊感情を高める関わり方について講義、参加型ワークショップを通じて学ぶ。
・「専門職としての私」と「ありのままの私」
・エンパワメントとは? エンパワメントアプローチ
・対人援助をする人の在り様・見方・聴き方(傾聴)・伝え方、メタスキル、スキルと自己覚知
・カウンセリングマインドを持ったコミュニケーション実習
同和問題
3. 部落差別解消推進法を踏まえ、部落差別の現状を学ぶ
大阪府発行人権学習シリーズVol9「あたりまえの根っこ」(同和問題)の体験と現在の同和問題の状況(市町村の人権意識調査の結果やインターネットにおける差別の事例等)を学び、差別解消に向けて自らができることを考える。
・あたりまえの根っこ 知らず知らずのうちに培ってきた自らの中にある社会意識に気づく
・同和問題の今の状況 これまでの施策による変遷と今の状況
・インターネットにおける差別の事例
・自分軸と社会軸 差別の解消に向け自らができること
著作紹介
聴講者の声
- 岡本さんの生き様や思いがひしひしと伝わる素晴らしい講演でした。
- 自分の軸を持ってルーツを大切に生きていきたいと感じた。今後も人権問題について学びたい。
- 寝た子を起こすなという考えがあることは知っていましたが、今回「寝た子はネットで起こされる」時代ということを初めて知り、時代の変化を感じたことでした。差別解消に向け、地域で様々な取り組みをしているのが良いなと思いました。
- 改めて勉強することで、意識していくことが大切だと思った。ありがとうございました。
- 気さくに楽しく話して下さり、身近に感じられたしわかりやすかったです。時間が無く省略した部分も多かったようなので、もう少し聞いてみたいこともありました。
- 多様な個性(ルーツ)を大切に、そして認め合うという“差別をなくす”から“手をつなぐ”という意識の変化を持つことが、今後の差別解消の一歩になると感じました。
- 正しく発信していくこと、つながること、広げていくことの大切さを再認識しました。
- 「寝た子を起こすな」ではなく、正しい情報を伝え、「この地に生まれて良かった」と思えるようにしなければならないと改めて感じました。