たなか としゆき田中 俊之
- 肩書き
- 博士(社会学)
大妻女子大学人間関係学部准教授
渋谷区男女平等・多様性社会推進委員会委員 - 出身・ゆかりの地
- 東京都
この講師のここがおすすめ
ワーク・ライフ・バランスの推進に当たり、男性の意識改革が求められています。近年、注目度が高まる「男性学」の第一人者である田中俊之さんが、現実問題に深く切り込みます。
「男なら働くのは当たり前」。そういった考え方に警鐘を鳴らし、男性が正社員として定年までフルタイムで約40年間働くという生きかたしか許されていない日本の現状に対して、「性別にとらわれない多様な生き方」への方向転換を提案しています。ワーク・ライフ・バランスを見直し、すべての人が生きやすい社会づくりについて考えてみませんか?
プロフィール
1975年、東京都生まれ。大妻女子大学人間関係学部准教授。男性学を主な研究分野とする。
著書『男性学の新展開』青弓社、『男がつらいよ―絶望の時代の希望の男性学』KADOKAWA、『〈40男〉はなぜ嫌われるか』イースト新書、『男が働かない、いいじゃないか!』講談社プラスα新書、小島慶子×田中俊之『不自由な男たち――その生きづらさは、どこから来るのか』祥伝社新書、田中俊之×山田ルイ53世『中年男ルネッサンス』イースト新書、『男子が10代のうちに考えておきたいこと』岩波ジュニア新書
日本では“男”であることと“働く”ということとの結びつきがあまりにも強すぎる」と警鐘を鳴らしている。
男性学とは
「男性が男性だから抱えてしまう問題」を扱う学問です。
例えば、働きすぎ、自殺、そして、結婚難などが挙げられます。
主な講演のテーマ
1. 男性学の視点から男女共に生きやすい社会を考える
イクメンという言葉が社会に定着しても、なかなか男性の家事・育児参加が進みません。現実としては、相変わらず男性の生き方は仕事中心です。その一方で、かつてよりも女性が社会に進出するようになりました。家事や育児、それに介護、さらには仕事と、女性ばかりが一人で何役もこなしています。男性が変わらなければ、女性は疲弊していくばかりです。「男も女も、仕事も家庭も」。それが実現できる社会を作るには、どうすればいいのでしょうか。男性学の視点から、みなさんと一緒に考えていきます。
2. 男性学の視点から男性の仕事中心の生き方を見直す
長時間労働は、決して新しい問題ではありません。1980年代後半には、過労死が社会問題化していますから、少なくとも、30年にもわたって「働きすぎ」についての議論が続いています。それにも関わらず、どうして、未だに男性は仕事中心の生活を送っているのでしょうか。男性学の視点から、男性が働きすぎてしまう原因を明らかにします。さらに、女性差別に対して厳しい目が向けられる時代であることを踏まえ、求められる上司像や組織のあり方についても合わせて考えます。
3. 男が働かない、いいじゃないか!
日本では、「男であること」と「働くこと」の結びつきが強すぎます。学校を卒業してから定年退職までの40年間は、何があっても男は働き続けるのが「当たり前」とされているからです。そのため、多くの男性は、なぜ自分が働くのかを考える機会さえありません。しかし、仕事をする理由について向き合うことなく、果たして、主体的に働くことは可能なのでしょうか。男性学の視点から、男が働くのは「当たり前」という常識に切り込み、男女平等の時代における「新しい男性の生き方」を提案します。
著作紹介
講師紹介動画
聴講者の声
- 自分自身については意識転換がしっかりできていることを確認できたと思っている。一方、社内では男性に対するハラスメント(男なんだから~、等)を頻繁に耳にするので、今後は自社内に広げていけるよう「予言の自己成就」を組織全体に対して実行していきたいと思う。
- 会社や周りの環境は、簡単には変えられないが、自分の問題意識を変ることで毎日残業で妻に負担をかけてしまっている現状は自分の今までの仕事のやり方を見つめ直し、先生のように育児にもう少し参加したいと思いました。
- もっと妻と育児や家事について話をするべきなんだと感じました。職場の中で、働きやすい環境とはどのようなことなのか?改めて考えていきたいと感じます。
- 現在1歳の男の子がおり、私は仕事、妻は家事育児をしています。家事育児は妻に任せ、私は働かなければいけないと考えていた中でこのセミナーを受け、私自身が働き方を変えていかなければ自分が考える環境にはならないなと分かりました。
- 田中先生の経験しないと分からないという点に自身も経験があり非常に共感できました。週末だけですが育児、家事をすると妻の大変さと配慮が必要であると痛感しております。今後についても継続と更に家族全員が幸せを感じられるように情報番組を妻と一緒に見て育児、家事について話し合う機会を作っていきたいと考えております。
- 女性活躍などは、男性社員の中でも不満の温床となっており、また女性自身も望んでいるのかは不透明であると日頃から感じておりました。尚、会社としてのフォロー体制の不明確であり、女性管理者への研修や男性社員の理解の醸成など課題が多いと感じました。
- 潜在的に男性、女性の差があるという考え方は、今まで考えたことがありませんでしたが、その通りだと感じました。また、私の職場では男性9割女性1割に近い状況です。このことに対しても当たり前と考えるのではなく、変化を求めていかなければいけないと感じます。