西谷文和さん 講演会講師 レポート


大阪府立高等学校主催の講演会が開催されました。
講師はイラクの子どもを救う会 代表、兼ジャーナリストの西谷文和さん。
『アフガン・シリア戦争の現実~イスラム国の正体を暴く~』と題して、戦争が起こった国のリアルな現状や、なぜ戦争は起こるのかについて、わかりやすくお話しいただきました。

戦争が起こったあの国は今・・・

2001年に発生した “アフガニスタン紛争“ 。
さらに、2011年から現在まで続く “シリア紛争“ 。
講演は、紛争後のアフガニスタンやシリアの現状について、西谷さんが現地で取材した際の映像から始まりました。電気、水もなく、衛生状況は劣悪な難民キャンプ。誤爆により重症を追った人々が、1つのテントに20人弱で暮らしている様子。日本での当たり前が当たり前でない、悲惨な状況に会場は静まりかえっていました。

なぜ戦争が起こるのか?

戦争は、宗教や領土の奪い合いで戦争をしていると誤解されがちですが、西谷さんの見解では、「戦争をすると、戦争をしかけた国(軍事機器生産国)に利益があるから」と話されていました。武器や航空機を生産している欧米諸国は、戦争により莫大な利益を得ています。そのため、情報を巧みに操作して国民をあおり、戦争をしかけることを正当化して、他国を攻撃しています。

戦争の裏側ー先進国の思惑ー

情報の操作が行われ、戦争が起こった一例に、湾岸戦争があります。
この戦争では、イラクの悲惨な現状について、議会で証言した少女のショッキングな話により、アメリカの国民感情が高まり、戦争が始まりました。しかし、戦争終了後になって、この少女は1度もイラクに行ったことがなく、嘘の証言をしていたことが明らかになりました。
このように、メディアの情報は、『戦争を起こすことが正しいこと』と思わせるように、政府によって情報が操作されています。そのため、報道された情報を鵜呑みにせず、冷静に分析することが重要であるとおっしゃっていました。

戦争はどうすればなくなるのか?

近年はテロが世界中で発生し、「テロとの戦い」と称して欧米諸国からイスラム圏への報復攻撃が行われています。しかし、攻撃された国は、人々が家や仕事を失い、一層攻撃した国を憎み、また報復が起こる、という悪循環が起こっています。 西谷さんは、「攻撃では戦争は終わらない。長い時間がかかったとしても、相手を助けることでしか、戦争は終わらない。」と話しておられました。実際に、ヨーロッパでもテロが少ないドイツは、戦争で負傷した子供たちを治療しているドイツ平和村があったり、移民が社会になじみやすい環境が整っているそうです。このように、戦争を終わらせるためには、私たちがメディアの情報を鵜呑みにせず、太陽政策を訴えていくことが重要とお話されていました。

さいごに・・・

高校生へのメッセージとして、”目的を持って勉強してほしい” と話しておられました。

西谷さんがジャーナリストになられたのは41歳。ジャーナリストになったきっかけは、西谷さんが32歳のときにカンボジアで出会った子供たちです。

「カンボジアで、足のない子供たちをたくさん見かけたのに、英語が話せなかったせいで、何があったのか聞くことができなかった。帰国してから、どうしても話を聞きたい、との思いで英語を勉強した。高校生のときは、英語なんて大嫌いだったのに。」

そこから、英語だけでなく、歴史や世界のことについて勉強し、41歳のときにフリージャーナリストとして独立したそうです。西谷さんは、「今やっている勉強も、受験のためだから。なんて思ってたら楽しくないでしょう?だから、それを勉強した先になにをしたいのか、考えて勉強してみてほしい。」と高校生たちにメッセージを送られました。

西谷文和さんの講演会は、学校関係、人権、平和、憲法講演会におすすめです。お気軽にお問い合わせください。

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投稿担当:オフィス愛  大崎 愛未